社員教育がうまくいかない本当の理由|中小企業経営者のための社員育成の仕組み
■社員教育は「やっているつもり」が一番危ない
「社員教育は重要です」
この一文を読んで、
少しギクッとした経営者の方。
あるいは「やっているよ」と即答した方。
どちらも、かなり正常です。
私は社員教育、社員育成というものを、
植物への水やりのようなものだと考えています。
一度水をやったから終わり、ではありません。
日々の手入れがあって、はじめて育つ。
ただし現実はどうでしょう。
働き方改革で勤務時間は限られています。
昔のように「仕事は勤務時間、勉強は業務外」という考え方は通用しません。
今は勉強も立派な業務時間です。
となると、限られた時間の中で社員教育をどう組み込むか。
これが、多くの経営者を悩ませている正体です。
しかも日々の経営に追われている中で、
何もわからない新入社員の教育に時間を割くのは正直きつい。
入社日に2〜3時間ほど、
企業理念や会社のルールを伝えられれば上出来。
経営者は「社員教育をするためだけ」に出社しているわけではありませんから。
結果としてどうなるか。
外部講師によるビジネスマナー研修。
あるいは、上司や先輩によるOJT中心の社員教育。
多くの会社が、この形に落ち着いているのではないでしょうか。
■新入社員は「成長できる会社か」を見ている
最近の新入社員、会社説明の場でこんな質問をしてきませんか。
「御社の研修制度はどのようになっていますか?」
つまり彼らは、
この会社に入ったら、自分はどう成長できるのかを見ています。
裏を返せば、
「働く代わりに、自分を成長させてほしい」という期待です。
そうなると、
「OJTで、だんだん覚えていけばいいよ」
この一言が、少し言いづらくなってくる。
だからこそ社員教育は、
属人的なOJTではなく、仕組み化が必要になります。
仕組みにしてしまえば、
ほったらかしとは言いませんが、
最低限、社員育成は自動的に回り始めます。
■社員教育は「学校の勉強」ではない
ここで、多くの人が勘違いしています。
社員教育=学校の勉強
これ、違います。
学校のように、教室に集めて机を並べて、
同じ内容を一斉に教える。
それが教育だと思ってしまうと、
「うちの会社では無理だよ」
となってしまう。
でも社会人にとっての勉強とは、
もっとシンプルです。
例えば、読書。
これだけでも立派な社員教育、自己研鑽です。
学校教育は、
レベルの違う子どもたちを一斉に学ばせるための仕組み。
一方、社会人は違います。
学ぶことそのものが、自己評価につながる。
……学ばない子どもは先生に怒られますが、
学ばない大人は評価が下がり、収入が増えない。
この違いは、かなり大きい。
少し話が逸れました。
ここからは、
私自身が実際にやってきた社員育成・社員教育の仕組みについて話します。
■新入社員研修でやりがちな「落とし穴」
新入社員研修。
皆さん、何をやっていますか?
外部講師によるビジネスマナー研修に2日間。
悪くありません。
私も、昔はやっていました。
ただし、ここには大きなリスクがあります。
それは、
先輩社員は本当に、そのマナーを守れているのか?
という問題。
新卒や第二新卒の新入社員は、
学ぶことに非常に長けています。
ビジネスマナー研修で
「お辞儀は45度です」と教えられた直後に、
先輩が会釈程度しかしていなかったらどうなるか。
「あれ?この先輩、ダメな例だな」
新入社員は、
わずか3分で先輩社員の評価を下します。
一度「ダメ先輩」というレッテルを貼られると、
リスペクトは戻りません。
私はこの理由から、
外部講師によるビジネスマナー研修をやめました。
■先輩社員が講師になる新入社員教育
そこで始めたのが、
先輩社員による新入社員研修です。
営業、設計、アフター。
それぞれの部署が、実際に講師を務める。
例えば、設計で入社した社員が、
最初から設計部署に配属されると、
社内にどんな部署があり、
何をしているのかが意外と見えません。
私自身、新卒でそこそこ大きな会社に入り、
人事部による3日間のオリエンテーションを受けましたが、
「営業があるんだな」
「技術があるんだな」
その程度の理解でした。
理由は単純です。
人事部が話しているからです。
もし、営業部の先輩社員が、
リーダーだけでなく一般社員も含めて、
自分の業務をリアルに語ったらどうでしょう。
設計に配属された社員でも、
住宅ローンの話を知っておくべきです。
営業に配属された社員でも、
設計の間取りづくりの流れを知っておくべきです。
自社なりにチューニングされた業務フローを、
上司や先輩が語る。
これだけで、
知識は増え、リスペクトも生まれます。
しかも先輩や上司は、
「講師になる」と決まった瞬間、
適当なことは言えません。
日々の業務で
なんとなくやっていたことに根拠を探す。
これは、先輩社員自身のリスキリングにもなります。
■社員育成は新人で終わらせない
少し長くなりました。
今日は新入社員研修にフォーカスしましたが、
本当に大切なのは既存社員、
そしてベテラン社員への育成です。
特に中途社員がいる会社。
ほとんどの会社がそうでしょう。
中途社員は自分流を持っています。
放っておくと、
会社のやり方はどんどんバラバラになります。
このズレをどう揃えるか。
この方法についても、今後解説していきます。
■経営者に代わって「育成」を考えるという選択
中小零細企業の経営者は、
経営も、人事も、社員教育も、
すべてを求められます。
どれか一つでもしくじれば、
「経営者の責任」です。
正直、しんどいですよね。
セカンドオフィスでは、
こうした社員育成・社員教育の仕組みづくりもお手伝いしています。
私は経営者出身のコンサルタントです。
現場も、数字も、育成の苦しさも経験しています。
経営者の立場に立って話ができる。
それが、私の一番の強みだと思っています。
無料相談で、
一度ゆっくり話しましょう。