社員教育は「教えること」ではない|経営者が今すぐできる育成の基本

■社員教育は「外に出す前」にできることがある

社員教育のために、
社外セミナーに参加したり、講師を招いたり、
さまざまな工夫をされている会社も多いと思います。

私自身、経営者だった頃を振り返ると、
社外セミナーや外部講師による講習は、実はあまり行っていませんでした。

だからといって、
社員教育に不熱心だったわけではありません。
むしろ、かなり一生懸命やっていた方だと思います。

これまでも育成については何度か書いてきましたが、
今日は「今すぐできる社員育成」を一つ、お伝えします。

費用も、資料も、特別な時間もいりません。


■逆説から入ります。理想の指示フロー

少し逆説的な話から始めます。
このブログを読んでいるのは、
経営者やリーダーの方が多いと思いますので、その目線で書きますね。

あなたが部下に指示を出したとき、
理想として思い描いている流れは、だいたいこんな感じではないでしょうか。

指示

部下が受諾(反芻して内容を確認)

作業を実施

途中経過を報告

作業を実施

完了したことを報告

この中で、
部下がやり忘れがちなのが「完了の報告」です。

もちろん、
完了報告の重要性は、社員教育の中でも伝えているはずです。

ただし、ここで大事なことがあります。


■完了報告がないのは、上長の責任でもある

実はこれ、
経営者やリーダー側にも、まったく同じことが言えます。

完了後のフィードバックを、必ず行っているか。

ここが抜けているケースが、非常に多い。

フィードバックは、
褒める(感謝する)と指導するを、2:1の割合で行います。

一度にたくさん指導しても、
人は覚えられません。

だから、
「2つ褒めたら、1つだけ指導する」
そう決めておくと良いです。

このフィードバックがあると、
部下は「確認してほしい」と思うので、
自然と完了報告をするようになります。

そして何より、
部下の成長スピードが一気に上がります。


■多くの現場で起きている残念な会話

ところが現実は、こうです。

上長は、褒めるべきことに無言。

部下
「終わりました。トラブルはありましたが、無事に納めました」

上長
「うん、ありがとう」

……これだけ。

これでは、
次も完了報告しようというモチベーションは続きません。


■理想のフィードバックはこうです

理想は、こういうやり取りです。

部下
「終わりました。トラブルはありましたが、無事に納めました」

上長
「うん、ありがとう。確認してみるね。」

(確認後)

上長
「全体的によくできている。ありがとう。
ただ、窓枠が少し歪んでいたね。
工事対象部位以外も見るようにすると、もっと良くなる。
そこだけ修正しよう。概ね、すごく良かったよ。」

部下
「ありがとうございます!」

最初と最後に、
褒める(感謝する)を2回。
その間に、指摘を1つだけ挟む。

これが理想形です。

この一言があるだけで、
部下は「工事対象部位以外も見る」という成長をします。


■これはすべての指示に使えます

このフィードバックは、
大きな仕事だけに限りません。

「コーヒー淹れておいて」

「ありがとう、美味しいよ。また頼むね」

これで十分です。

やっていることは、
経営者やリーダーの返事の仕方を変えるだけ

これなら、
今日からでも、今からでも実践できます。


■社員教育は「自分の返答」から始まる

社員教育のために、
時間やお金をかける前に。

まずは、
自分自身の返答を少しだけ修正してみてください。

それだけで、
社員の行動も、成長も、驚くほど変わります。

育成は、大掛かりな制度から始めなくてもいい。
日常の一言から、十分に始められます。