社員の給与に正解はない|住宅会社の経営者が知るべき給与設計の考え方
結論から言います。
社員の給与に「適正な正解」は存在しません。
社員さんに支払っている給与、適正でしょうか。
そして、その金額に社員は本当に納得しているでしょうか。
実は、
給与額も、役員報酬額も、
「これが正解」と言い切れる会社は一社もありません。
だからこそ、経営者は悩み続けます。
そして、悩み方を間違えると、会社は静かに壊れていきます。
「売上の〇%が人件費」は、ほぼデタラメです
よく聞きます。
「人件費は売上の〇%が適正です」
「粗利の〇%を給与に回しましょう」
はっきり言います。
住宅会社にこの考え方は当てはまりません。
なぜなら、
住宅会社は 組織の作り方で原価構造がまったく変わる業種 だからです。
例えば、
設計者を社内に抱える会社
設計を外部に委託している会社
点検・メンテナンスを自社で行う会社
すべて外注している会社
これだけでも、必要な人件費は大きく変わります。
同じ売上でも、
人件費の「適正水準」は会社ごとに全く違うのです。
極論、最低賃金でも法律上は問題ありません
極端な話をします。
社員給与は、最低賃金を超えていれば、
法的には何の問題もありません。
業務内容と賃金が社員本人の中で折り合っていれば、
モチベーションが著しく下がるとも限りません。
重要なのは、
「金額」そのものではありません。
社員が納得しているかどうか
ここです。
社員のモチベーションは、給料の額では決まりません
高額な給与を払えば、人は育つ。
これは半分ウソです。
社員が本当に気にしているのは、
・この会社で働き続けたらどうなるのか
・自分の将来は見えているのか
この2点です。
ここからが重要です。
社員のモチベーションを支える要素は、次の3つです。
昇給スケジュールが見えない会社は、不安しかありません
もし、社員の給与を「雰囲気」で決めているなら、
それはかなり危険です。
社員はこう思っています。
「俺の給料、この先どうなるんだ?」
「一生この金額のままじゃないか?」
将来、
部長になればこれくらい
役職が上がればこの水準
こうした 昇給の道筋 が見えていれば、
今の給与が高くなくても人は踏ん張れます。
逆に言えば、
最初から高い給与を払っても、
将来が見えなければ人は辞めます。
この昇給スケジュールを形にするのが、
給与テーブル(等級や年次ごとの給与目安表) です。
社員数が少ない会社ほど、給与テーブルは必要です
「うちは社員が少ないから、そこまで要らない」
よく聞きます。
でも、これは逆です。
社員が少ない会社ほど、
一人抜けた時のダメージは致命的です。
2人の会社で1人辞めたら、戦力は半分です。
10人の会社でも、1人抜ければ現場は回らなくなります。
だからこそ、
社員数が少ない会社ほど、
給与テーブルと昇給ルールが必要なのです。
賃金より先に決めるべきは「品質」です
社員のモチベーションを支えるもう一つの軸が、
会社の品質 です。
ここで言う品質とは、
高い・安いの話ではありません。
・何を強みとする会社なのか
・どこに価値を置いているのか
これが曖昧な会社は、
少し給料が高いだけで人が流出します。
逆に、
性能
精度
デザイン
施工品質
こうした「この会社ならでは」が明確なら、
給与が突出していなくても、社員は踏ん張ります。
最後は「目標」です。ここがない会社は崩れます
建設業では、
販管費の多くを人件費が占めます。
つまり、
社員数
給与総額
この2つが見えれば、
必要な売上目標も見えてきます。
目標がないと、
社員は頑張りすぎて疲弊する
結果が出ず、評価に不満が出る
こうなります。
売上目標
粗利目標
これを社員と共有すれば、
営業は受注の質を考える
現場は原価を意識する
自然と全社が同じ方向を向きます。
現場が赤字を出す会社の共通点
現場監督が実行予算を見ていない。
これは、かなり多いです。
本来は、
工事前に実行予算を組む
それを基準に発注する
これが正解です。
ところが実際は、
工事が終わってから
「まとめてみたら赤字でした」
原因は一つ。
目標が共有されていない からです。
結論:給与は「方針」なしでは決められません
結論です。
給与を決める前に、
会社の方針を決めてください。
売上の〇%で決める。
この考え方自体がズレています。
住宅会社は、
受注量が売上に直結します。
来期の売上は、
給与を決める時点では確定していません。
だから、
経営者は悩む
社員は不満を持つ
この構造が生まれるのです。
給与は「全社で向き合う経営課題」です
給与は、
経営者だけが悩む問題ではありません。
社員を巻き込み、
全社で取り組むテーマです。
最近は社長の給与を公開する会社もありますが、
私は賛成していません。
経営者と社員は、
同じ努力をしていますが、
立っているステージが違います。
同じテーブルで評価すること自体、無理があります。
セカンドオフィスの給与テーブル支援について
セカンドオフィスでは、
エクセルベースの給与テーブルを使い、
実務に即した給与管理を支援しています。
私自身が、
経営者として悩み、作り、使ってきたものです。
コンサルティングをご依頼いただいた会社には、
この給与テーブルを無償で提供しています。
無料相談だけでも、
必ず経営のヒントは持ち帰っていただけます。
一人で悩まず、
一度、状況を聞かせてください。