【売り上げのベストとは?】売り上げの適正値はあるのか?(第1回)
経営をしていると、ふと考えませんか。
「いったい、いくら売り上げれば良いのか?」
地域の人口から割り出す。
自社の規模から割り出す。
社員数が何人だから〇〇億。
こういう“それっぽい計算”は、目安にはなります。
ただし、目標にすると危険です。ズレます。だいたい現場が先に壊れます。
結論:売上に「適正値」はありません
先に結論です。
売上に「適正値」はありません。
あるのは、適正な売上にたどり着くための「考え方」です。
この考え方を持つと、
地域の人口から割り出すのがナンセンスな理由
社員数から売上を出す計算が逆な理由
この2つが自然に見えてきます。
このテーマは長いので、シリーズにします。
売上を考える前に、自社をどうする会社か決めてください
売上の数字を決める前に、先に決めることがあります。
あなたの会社は、今後こういう会社になりますか。
家族経営で完結させる会社か。
家族以外の従業員を採用していく会社か。
ここが最初の分岐点です。
「そんなこと、考えたことない」
そういう社長も多いと思います。だからこそ、この質問が効きます。
従業員を1人でも採用した瞬間、会社は「組織」になります
従業員を1人でも採用すれば、会社は組織になります。
「そんな難しくしたくない」と思うかもしれません。
でも採用される側は、こう思っています。
きちんとした組織で働きたい
自分の職場に誇りを持ちたい
この会社で成長したい
これ、きれいごとではなく現実です。
少なくとも、そう思える会社の方が人が残ります。
経営者の本音としても、愛社精神は持ってほしいはずです。
なら会社は「きちんとした組織」である必要があります。
ここを横着すると、だいたい社内はこうなります。
文句が増える
ルールが曖昧になって揉める
社長がいつも火消し役になる
売上の話以前に、経営が疲弊します。
きちんとした組織の最低条件は3つです
難しい話はいりません。小さな会社でも、これだけは必要です。
ルールがある
役割が定義されている
昇給の仕組みがある
この3つが揃うと、会社は安定します。
逆に言うと、揃っていない会社は「売上を増やすほど苦しくなる」確率が跳ね上がります。
なぜか。
売上が上がる
仕事が増える
でも役割がないので社長に集まる
ルールがないので揉める
昇給の仕組みがないので不満が溜まる
こうして、社長が一番忙しくなっていきます。
売上が増えても、楽にならない会社です。
1.ルールがある:社規社則は「社員のため」だけではなく会社の盾です
社規社則は作っていますか。
厚労省のひな形をそのまま貼っただけなら、正直あまり意味がありません。
大事なのは、自社の実態に合わせて“守れるルール”にすることです。
経営者になって驚く現実があります。
困った社員がいても、簡単には辞めさせられない
私は驚きました。
加えて、休む権利は想像以上に強い。
もちろん、頑張ってくれている社員には休んでほしい。
ただ、目を離すとサボる人もいる。
忙しい時期に有給を入れられると、現場が崩れます。
だからこそ、先にルール化します。
どこからが懲戒か
どこからが減給か
勤務態度や報告はどうするか
社員を疑うためではありません。
何かあったとき、社員は法律に守られます。
経営者は守られにくい。だから先に備えるのです。
2.役割が定義されている:3人の会社だからこそ役割分担はしやすい
「3人の会社に営業部も経理部もない」
そう言いたくなる気持ちは分かります。
でも逆です。
3人だからこそ、役割分担はしやすい。
役割を曖昧にするから社長が忙しくなります。
「うちは少数精鋭だから一人の役割が多い」
これでいいんです。問題は“多いこと”ではなく“曖昧なこと”。
社長が担っている仕事を、少しずつ社員に配る。
任せる範囲と判断基準を言語化する。
これをやらないと、社長の負担は増える一方です。
そして怖いのはこれです。
社長が病気になった瞬間、会社が止まる
社員が休んでも社長がいればカバーできる。
社長が倒れたら、誰もカバーできない。
小さな会社ほど、ここが致命傷になります。
3.昇給の仕組みがある:売上の話の本体はここです
最後に昇給です。
実は、売上と一番つながっているのが昇給です。
昇給の仕組みがない会社は、だいたいこうなります。
昇給が気分になる
上げたり止めたりで不満が溜まる
未来が見えず人が辞める
ここで大事な前提があります。
給料は利益の分配です。
売上が同じなら、利益も大きくは変わらない。
分配する原資が増えないのに、給料だけ増やすのは難しい。
つまり、昇給を設計するなら
「売上をどう増やすか」とセットで考える必要があります。
これが、売上の適正値が「数字」ではなく「構造」だと言った理由です。
まとめ:売上の適正値は、会社がどんな組織になるかで決まります
第1回の結論はこれです。
売上に適正値はない
ただし、適正値にたどり着く考え方はある
最初に決めるべきは「採用する会社かどうか」
採用するなら、組織の最低条件(ルール・役割・昇給)が必要
ここが曖昧なまま売上だけ追うと、
売上が上がるほど社長が苦しくなります。
次回予告:社員数が何人だから〇〇億、が逆な理由
次回は、よくある勘違いを壊します。
社員数が何人だから売上は〇〇億
この計算が、なぜ逆なのか。
先に出すべきは「最大処理能力」と「標準のやり方」です。
これが分かると、売上目標が根拠のある数字になります。
続きも読んでください。ここから面白くなります。