住宅会社の売上アップは危険?|工務店経営者が知るべき“諸刃の剣”の正体

売上のことを考えると胃が痛かった

売上が上がると会社が壊れます。正確には、「壊れる上げ方」があります。

私はそもそも工務店の経営をしていました。

売上のことを考えると、胃がキリキリしていましたね。
まあ、それは今、コンサルをしていても同じですが……。

さて、売上は多い方が良いのですが、多くの経営者が勘違いしていることを今日は書いていきます。


売上が「劇的に伸びる」は危険なこともある

売上が伸びるというと嬉しいものです。
ですが、劇的に売上が伸びることはほとんどありません。

そして、もし劇的に売上が伸びるとしたら、それは失敗です。

私が経営者時代に意識していたのは、5年で売上倍増でした。

計算してみると分かりますが、5年で売上を倍にするためには、昨年比115%の売上が必要になります。

つまり、毎年15%の売上増です。

15%の売上増。
なんとなくできそうですよね。


売上が倍になると現場はどうなるか

これが昨年比200%になると大変です。

まず、スタッフ数の問題があります。
今の物件でもそこそこ忙しいと思いますが、その倍になります。

こなす物件数が倍になるということは、従業員の負担はかなり大きくなります。

職人さんも急に倍にはなりません。
大工さんも増員しなければなりません。

もし標準仕様や標準図を自社用に整備していなければ、物件ごとに打ち合わせや作図が必要になります。

さらに、現場へ行く回数は減り、その分現場からの問い合わせが増えます。
しかし一日の時間は有限ですから、工程は遅れていきます。


売上が増えてもトラブルは増える

完成後もトラブルの連続になります。

現場で受けた顧客からの変更要望の行き違い。
現地と図面の不整合によるトラブル。
最後に回していた外構との整合が取れずトラブルになることもあります。

結果として、売上は倍になってもメンタルがやられ、スタッフは辞め、利益も残らない。
そんなことも起こります。


理想は「毎年10〜15%の売上増」

だからこそ、10%増、15%増程度の売上増を続けることが大切です。

5年後に売上が倍になる。
そのくらいのペースが理想なのです。

そして、この115%は計画的に行うものです。

昨年よりも集客を少しだけ増やす。
イベント数を少しだけ増やす。
見学会を去年より一棟増やす。
相談会を開催してみる。

倍にする必要はありません。
少しだけ増える仕掛けをつくることです。


イベントは少しずつ増やす

例えば、イベントを20%増やして契約が10%増えたとします。

そうしたら翌年はイベントを30%増やす。
そんなふうに繋げていきます。

物件が少しずつ増えれば、イベントも少しずつ増やせます。

イベントができなければオフィスで相談会。
生命保険会社とコラボして公民館で相談会。
銀行とコラボして銀行で無料相談会。

やろうと思えば、いくらでも方法はあるはずです。
そうやってイベントを少しだけ増やします。


売上は「少しずつ」伸ばす

売上は少しずつ増やしていかなければなりません。

急に忙しくなると疲れが出て、その反動で売上が落ちます。
そうなると増えた人員が余り、不平や不安が出てきます。

売上を伸ばせるというITツールやマーケティング手法は多くあります。
しかし、劇的に変わるものは多くありませんし、むしろ危険な場合もあります。

少しずつ売上を上げられる施策を考えてみてください。