人手不足の解決策は採用だけではない|中小企業経営者が今すぐやるべき育成の考え方
人手不足の本当の解決策は「採用」だけではない
人手不足。
これ、多くの経営者が口にします。
あるいは、
「人はいるけど、使える人材がいない」
これもよく聞きます。
多くの経営者は、できるだけ良い人材を採りたいと思っています。
実はこれ、大企業も同じです。
だからこそ大企業は、何段階も選考ステップを設け、時間と手間をかけて社員を選びます。
でも、中小零細企業にそれをそのまま持ち込めるかというと、なかなか難しい。
選考に手間をかければかけるほど、社員の時間も取られますし、経営者の時間も取られます。
面談やワークを何度も重ねれば、入社日もどんどん遅れていきます。
さらに、厳しい選考基準を越えられる人はそう多くありません。
結果として、不採用が増え、人手不足の解消どころか、ますます採れなくなる。
何とも悩ましい話です。
人が足りなくなってから採用するから苦しくなる
多くの会社は、人が足りなくなってから求人を出します。
でも、これがそもそも苦しい。
足りなくなってから募集をかけると、経営者は焦ります。
現場も焦ります。
焦っている時ほど、「早く来てくれる人」「今すぐ使えそうな人」に目が行きます。
そして、その「今すぐ使えそうな人」が、あとで一番手を焼く。
これは、採用あるあるです。
本当は、人が足りている時にこそ求人を出しておくべきです。
足りているなら、今すぐ採用しなくても構いません。
だからこそ、じっくり選考できます。
良い人材が現れた時、そのタイミングを逃さずに済みます。
優秀な人材が、いつでも地元の工務店で仕事を探しているわけではありません。
だから、求人は「困った時だけ出すもの」ではなく、常に出しておくものなのです。
求人は「採用」のためだけではない
さらに言えば、求人は採用のためだけではありません。
経営者であるあなたも、会社のスタッフも、今まで何人くらい面接してきたでしょうか。
10人でしょうか。
50人でしょうか。
100人でしょうか。
面接を重ねると、だんだん分かってきます。
「ああ、質問だけでは見抜けないな」
「やはりワークが必要だな」
「SPIのような適性検査もあった方がいいな」
こうして選考の精度が上がっていきます。
つまり、求人を続けることは、
採用活動であると同時に、会社の“面接力”を鍛える訓練でもあるのです。
少し表現は悪いですが、
「面接の訓練も兼ねて」募集を続ける。
これは中小零細企業にとって、かなり現実的な考え方だと思います。
どんなに優秀な人材でも、すぐには使えない
ここで、多くの経営者が勘違いしていることがあります。
それは、
「優秀な人材なら、すぐに活躍してくれるはず」
という思い込みです。
でも実際には、どんなに優秀な人材でも、実践で使えるようになるには時間がかかります。
いや、むしろ優秀な人材ほど時間がかかることもあります。
なぜか。
前の職場のやり方や考え方を持っているからです。
その人があなたの会社で力を発揮するには、会社に合うようにチューニングしなければなりません。
このチューニングを、年齢や経験や立場に関係なく、きちんとできる人ほど本当に能力が高い。
逆に、最初からバリバリやっている人ほど、あとで化けの皮が剥がれることも少なくありません。
最初の勢いだけで判断すると、だいたい痛い目を見ます。
一番早い人手不足の解消法は、今いる人を伸ばすこと
では、どうすればよいのか。
答えはシンプルです。
今いるスタッフの能力を高めることです。
これが、一番早い人手不足の解消法です。
新しい人が入ってきても、育つまでには時間がかかります。
でも、今いる人の力を1.2倍、1.5倍、2倍にする方が、はるかに早い。
もちろん簡単ではありません。
時間も労力も必要です。
でも、採用市場が厳しい今、それを避けて通ることはできません。
今いるスタッフを育てる。
労力をかける。
それが結局、一番現実的で、一番強い方法です。
仮にそれが、あなたの奥様だったとしても同じです。
身近にいる人のポテンシャルを引き上げる方が、外から“救世主”を待つより早い。
しかも、たいていその方が確実です。
採用を続けながら、育成に本気で向き合う
人手不足を解消したい。
使える人材がほしい。
その気持ちは、経営者なら誰でも同じです。
でも、
「良い人材が来ない」
だけを嘆いていても、会社は前に進みません。
常に求人を出し続ける。
面接の精度を上げる。
そして、それ以上に今いる人材を育てる。
この両輪があって、ようやく会社は強くなります。
人手不足の解決策は、採用だけではありません。
むしろ本命は、育成にあります。