住宅会社のブランドは「NO USE」で決まる|工務店がやらないことを決める経営戦略

住宅会社のブランドは「やらないこと」で決まる

以前の記事で、住宅会社は「やること」ではなく
「やらないこと」を決めると特徴が出る、という話を書きました。

今回は、私が住宅会社の代表時代に決めていた
『NO USE』という「使わないもの」のルールを紹介します。

NO USEとは
当社では使わないものを決めること。

これを決めることで、

・商品が明確になる
・現場が安定する
・ブランドが伝わる

この3つが同時に起きました。

当社が決めていた「NO USE」10項目

私が当時決めていたNO USEは次の10項目です。

・アルミサッシ
・塗装サイディング
・スレート瓦
・グラスウール(付加断熱材として使用)
・合板フローリング
・南洋木材
・防蟻殺虫剤(ホウ酸のみ可)
・ダクトのない換気装置
・合法木材以外の木材
・気密断熱を下げる部材

こうして見ると、
単なる材料リストのように見えるかもしれません。

しかし実際には
会社の思想そのものです。

NO USE 1 アルミサッシ

アルミサッシは熱を通します。

つまり結露の原因になります。

断熱性能を本気で考えるなら、
アルミサッシは選択肢から外しました。

NO USE 2 塗装サイディング

窯業系サイディングは住宅業界では一般的です。

しかし塗装メンテナンスが前提になります。

住宅は長く住むものです。
将来の維持コストを考え、外壁材は別の選択をしました。

NO USE 3 スレート瓦

スレート瓦は軽量で施工しやすく、広く使われています。

しかし耐久性やメンテナンスの観点から
私は採用しませんでした。

屋根は住宅の寿命に直結するためです。

NO USE 4 グラスウール(付加断熱)

グラスウールは一般的な断熱材です。

ただし施工方法によって性能差が出やすい。
施工性の問題もあります。

そのため付加断熱材としては使用しませんでした。

NO USE 5 合板フローリング

合板フローリングは一般的な床材です。

しかし表面だけが木材で、内部は合板です。

私は床材には
無垢材を基本としました。

NO USE 6 南洋木材

南洋材は流通していますが、
環境問題の観点から慎重に考えました。

合法性や持続性が明確な木材を優先しました。

NO USE 7 防蟻殺虫剤(ホウ酸のみ可)

一般的な防蟻処理は薬剤による殺虫処理です。

私は防蟻対策として
ホウ酸処理のみを採用しました。

健康面と持続性を考えた選択です。

NO USE 8 ダクトのない換気装置

換気設備は住宅の空気環境を左右します。

ダクトレス換気は施工が簡単ですが、
空気の流れを管理しにくい。

そのため採用しませんでした。

NO USE 9 合法木材以外の木材

木材は合法性が重要です。

違法伐採の問題もあり、
合法木材以外は使用しないというルールにしました。

NO USE 10 気密断熱を下げる部材

断熱と気密は住宅性能の基本です。

それを下げる可能性のある部材は
基本的に使いませんでした。

性能を守るためです。

NO USEを決めるとブランドが見える

住宅会社は
「何を使うか」で差別化しようとします。

しかし本当に特徴が出るのは
「何を使わないか」です。

NO USEを決めると

・商品が明確になる
・現場が安定する
・ブランドが伝わる

この3つが同時に起きます。

ブランドとは
広告ではなく
判断基準です。

もし御社が特徴を出したいなら、
まずは「やらないこと」を決めてみてください。