社員育成に勉強会はいらない|工務店経営者が実践すべき現場育成の仕組み

■社員育成に「勉強会」はいらない

社員育成と聞くと、多くの経営者は「勉強会」を思い浮かべます。

しかし結論から言います。

育成に勉強会は必要ありません。


■学校の学びと、会社の育成はまったく違う

学校では、授業で学び、試験で確認します。
どちらも教室のデスクに座って行います。

では、仕事はどうでしょうか。

営業は顧客の前でプレゼンします。
設計は図面をもとに説明します。
行政への申請や、職人への指示もあります。

つまり、
仕事は現場で評価されるものです。

にもかかわらず、育成になると学校と同じように
「座って学ぶ」形式にしてしまう。

これがズレの原因です。


■育成は「現場」で行うもの

社会人の育成は、学校の勉強とはまったく別物です。

現場で見て
現場で考えて
現場で判断する

これが本来の育成です。

私が実際に行っていたのは、完成した住宅を使った「検討会」です。


■全員参加の検討会で育成する

引き渡し前の住宅に、社員全員が集まります。

社内検査と清掃を兼ねながら、
その住宅について全員で意見を共有します。

ここで重要なのは「やり方」です。

ただ意見を言わせるだけでは、
発言力の強い人の意見に引っ張られてしまいます。


■意見を否定しないための仕組み

私が行っていた方法はシンプルです。

まず、全員に図面を配布します。
平面図・立面図・配置図です。

次に30分ほどの時間を取り、
図面を見ながら住宅を見学します。

そして、感じたことをすべて図面に書き込んでもらう。

この間、発言は禁止です。

誰かに伝えたいことも、すべて図面に書く。
これがルールです。


■社長が「解説する場」に変える

回収した図面をもとに、
社長や部長がポイントをピックアップします。

そして、

・なぜその設計になっているのか
・なぜその施工になっているのか
・どこが良くて、どこが課題か

を解説していきます。

こうすると、意見そのものを否定する必要がありません。

間違った認識があれば、
ルールや考え方として修正すればいいだけです。


■全員の視点が共有される

この仕組みの良いところは2つあります。

1つは、全員の考えが見えること。
もう1つは、社内の基準を揃えられることです。

誰がどう感じたのか。
何に違和感を持ったのか。

それを共有しながら、
会社としての正解を上書きしていく。

これが育成です。


■育成は「時間」ではなく「設計」

育成は、長い時間を取る必要はありません。

5分でも10分でもできます。

しかし勉強会形式にすると、
準備・集合・解散を含めて30分以上かかります。

だから続かない。

重要なのは、
既存の業務の中に組み込むことです。

検討会のように、
もともとやるべき業務に育成を乗せる。

これができれば、育成は止まりません。


■まとめ

社員育成は「勉強会」ではありません。

現場で考えさせ、
会社の基準を伝え、
日常の中で繰り返すこと。

これが、本来の育成です。

仕組みとして組み込めば、
社員は自然に育ちます。