住宅会社の利益は悪ではない|値引きに頼らず適正利益を出す経営の考え方

利益を出せない会社は、社員も地域も守れません

利益を出すことは、営利企業の最低条件です。
これはきれいごとではありません。

利益を出せない会社は、社員に十分な給与を払えません。
利益を出せない会社は、品質を守れません。
利益を出せない会社は、地域にも貢献できません。

それでも、「利益を度外視してやる」という言葉を好む方がいます。

ですが、会社という仕組みで考えれば、利益を度外視することなどありえません。
むしろ、利益を軽く見ること自体が経営として危険です。

今日は、会社の在り方という視点から、利益について整理していきます。

企業とは何かを考えると、利益の役割が見えてきます

「企業とは何か」

この問いに対しては様々な答えがあります。
立場やテーマによっても変わります。

ただ、実務で経営してきた立場から言えば、企業の役割はそれほど複雑ではありません。

企業は雇用を生み、地域を支えています

まずひとつ目は、雇用です。

働き口のない地域に、人は住みません。
人が減れば、地域は荒れていきます。

税収は減り、インフラの維持も難しくなります。
結果として、地域全体の力が落ちていきます。

雇用を生むことは、そのまま地域貢献です。

ただし、ここには前提があります。
会社が利益を出していることです。

利益がなければ、雇用は守れません。
昇給もできません。
採用も止まります。

企業は必要なものを提供し、社会に価値を出しています

二つ目は、需要に対する供給です。

人は、自分でできないことを外部に頼みます。
食事、洗濯、さまざまなサービスがそうです。

住宅はさらに分かりやすい分野です。
自分で建てることは現実的ではありません。

だからこそ、住宅会社の存在そのものが社会に必要とされています。

ただし、良質な住宅を提供し続けるには利益が必要です。

材料費だけでは足りません。
設計、現場管理、検査、アフター対応。
こうしたすべてにコストがかかります。

利益を削れば、最後に削られるのはこの部分です。
そして、それはそのまま品質に直結します。

企業は地域に仕事を作り、お金を回しています

三つ目は、仕事を生み出すことです。

住宅は、多くの職人や業者が関わる仕事です。
1棟の住宅で、地域にお金が流れます。

資材も同様です。
地場の業者を使うことで、地域経済に貢献しています。

しかし、利益がなければ発注は減ります。
支払いも厳しくなります。

結果として、地域に回るお金も減っていきます。

利益を度外視すると、会社の中で何が起きるのか

ここは現実的な話です。

利益を度外視すると、まず給与が苦しくなります。
昇給が止まる。
賞与が出せない。
人が定着しない。

次に、アフター対応が崩れます。
点検の質が落ちる。
補修対応が遅れる。
クレームが増える。

さらに、挑戦ができなくなります。
新しい設計や提案ができなくなる。

利益を削るということは、
社員、品質、未来を削るということです。

会社はお金を預かり、分配する仕組みです

私は現役時代、社員にこう説明していました。

企業とは、お金を預かって分配する仕組みです。

住宅会社であれば、お客様から大きなお金を預かります。
そのお金を、資材会社へ。
職人へ。
従業員へ。
そして会社の利益として分配します。

会社がやっていることは、これに尽きます。

利益は余りではなく、最初から必要なものです

ここが重要です。

利益は、最後に余ったものではありません。
最初から必要なものです。

利益がなければ、分配できません。
利益がなければ、品質も守れません。

利益は会社の取り分ではなく、
会社を成り立たせるための前提条件です。

経営者の仕事は、利益を管理することです

経営者の仕事は多岐にわたります。

営業、採用、商品づくり、組織づくり。
どれも大切です。

ですが、外せないものがあります。
それが利益の管理です。

利益を管理できなければ、
すべてが崩れます。

まとめ:利益を出すことは責任です

利益を出すことは、会社のためだけではありません。

社員に給与を払うため。
品質を維持するため。
地域に雇用と仕事を残すため。

だから、利益を出すことは責任です。

だから経営者のみなさま、利益は堂々と計上してください。
それは会社のためだけではありません。
あなたの提案を形にし、それを支えてくれる社員と職人に、きちんと分配するためです。