給与テーブルをコンサルに丸投げすると危険なワケ
「社員の給与制度を整えたい」
住宅会社の経営者であれば、誰もが一度はそう考えるはずです。
そして実際、多くの会社が給与テーブル(昇給の基準をまとめた表)を外部のコンサルタントに依頼して作成しています。
しかし――私はここに大きなリスクがあると考えています。
昇給には2種類ある
まず、給与設計で必ず理解しておくべきポイントがあります。
昇給には2種類あるということです。
- 年齢やポジションによる昇給
- 年齢が上がれば生活コストが増える
→年々昇給する仕組みがない会社だと辞める社員が続出してしまいます。 - 役職が上がれば責任も重くなる
→ これに合わせた昇給は自然であり、給与テーブルで管理して問題ありません。
- 年齢が上がれば生活コストが増える
- ベースアップ(物価や社会情勢による昇給)
- これが大きな落とし穴です。
- 日本ではこの30年間、ほとんどベースアップが行われていません。
- しかしながら、ここのところの物価高により各社基本給をはじめ、ベースアップを実施しています。
そのため「ベースアップを織り込まない給与テーブル」を作ってしまうと、将来大きな手直しが必要になります。
コンサル作成の給与テーブルに潜む問題
私が見てきた多くの給与テーブルは、年齢や役職に応じて金額をずらりと並べた「固定表」でした。
一見すると整然としていて「これなら安心」と思えるかもしれません。
しかし、ここに問題があります。
ベースアップを行うたびに、表のすべての金額を修正しなければならないのです。
結果どうなるか?
- 毎回テーブルの全体を作り直す
- そのたびにコンサル費用が発生する
- 結局、長期的に使えない仕組みになる
つまり「制度を整えるつもりが、コストだけが積み重なる」という悪循環に陥るのです。
私が現役時代に作った給与テーブル
私自身、住宅会社の経営をしていた時に給与テーブルを整備しました。
その際に意識したのは、初任給を決めれば自動的に全体が修正される仕組みを作ることです。
具体的には――
- 各年齢・各役職の給与を「計算式」で設計
- ベースアップ時は「初任給」を見直すだけ
- その瞬間にすべての給与テーブルが自動で更新される
このようにしておけば、何十年先でも使える給与テーブルになります。
ところが、私が見てきたコンサル作成のテーブルには、この仕組みがほとんど存在しませんでした。
まとめ
給与制度は社員のやる気や定着率に直結する重要な仕組みです。
しかし、「コンサルに作ってもらえば解決する」という考え方は危険です。
- 昇給には「ポジション昇給」と「ベースアップ」がある
- ベースアップをテーブルに固定すると将来必ず破綻する
- 計算式を組み込んだテーブルなら、長期的に運用できる
住宅会社にとって必要なのは、長く使える仕組みをどう作るかです。
制度は「完成品を買うもの」ではなく「自社で使い続けられる設計」を意識して取り入れるべきでしょう。